※この記事は2026年4月現在の情報を元に書いています。
2018年に親子3人でイタリアを5泊7日個人手配で旅しました。ヴェネツィア→フィレンツェ→ローマという行程で、都市間の移動はすべてフレッチャロッサ(イタリアの高速鉄道)を使いました。
日本の新幹線に慣れていると「鉄道なんて余裕でしょ」と思いがちですが、フレッチャロッサには日本とは違うルールや罠がいくつかあります。実際に乗ってみて「知っておいてよかった!」「知らなくて焦った!」という体験を、2026年の最新情報と合わせてまとめます。
これからイタリアを個人手配で旅するシニア世代の方に参考にしてもらえたら嬉しいです。
フレッチャロッサって何?まず基本から
フレッチャロッサ(FrecciaRossa)はイタリア語で「赤い矢」という意味。トレニタリア(Trenitalia=イタリア国鉄)が運行する高速列車で、最高時速300km。日本で言えば新幹線に相当します。
ヴェネツィア(サンタルチア駅)→フィレンツェ(サンタ・マリア・ノヴェッラ駅)は約2時間、フィレンツェ→ローマ(テルミニ駅)は約1時間半で結んでいます。都市間を移動するならフレッチャロッサが断然便利です。


【注意①】ホームは出発直前まで表示されない!
日本の新幹線なら何十分も前からホームが決まっていて、ゆっくり並べますよね。フレッチャロッサはそうじゃないんです。
私たちがヴェネツィアを出発したときも、ホームが電光掲示板に表示されたのは出発の20分前ほど。フィレンツェ→ローマに乗ったときも、「ぎりぎりまで表示されない」という緊張感がありました。

これを知らないと「ホームがどこかわからない!乗り遅れる!」とパニックになります。掲示板の前でどっしり構えて待つのが正解。むしろ表示されたらすぐに動けるよう、出発30分前には掲示板の近くに待機しておくのがベストです。
また、ローマのテルミニ駅など大きな駅では改札ゲートがあり、ゲート通過に時間がかかることもあります。出発の30分前には駅構内に入っておくことを強くすすめます。
【注意②】ニセポーターに要注意!「運んでやる」は罠
これが今回いちばん驚いた体験です。
フレッチャロッサに乗り込もうとしたとき、急に男が近づいてきて、家族のスーツケースに手をかけようとしました。「荷物を運んでやる」という素振りです。
出発前にネットで「こういう人がいる」という情報を読んでいたので、間一髪で「自分でやるからいい!」と断りました。男は何か悪態をついてその場を去りました。
この手口はシンプルです。「親切」を装って勝手に荷物を持つ→列車の中まで運んだ時点で「サービス料」として高額を要求する。断ると荷物を返してもらえないという状況になることもあるようです。
フレッチャロッサには乗り口に3段ほどの階段があり、大きなスーツケースを自力で上げるのは確かに力がいります。だからこういう人が声をかけてくるわけです。

対策:荷物は必ず自分または同行者で運ぶ。声をかけてくる人には「No, grazie(ノー、グラツィエ)=結構です」ときっぱり断る。ためらわずに言い切ることが大事です。遠慮してあいまいにすると、「受け入れた」と判断される可能性があります。
【注意③】荷物置き場はスーツケースのサイズ次第
乗り込んでしまえば車内は快適です。ただし荷物の置き場所は事前に把握しておきましょう。

乗り口付近(車両の端)に大型荷物用のスペースがあります。大きなスーツケースはここに置きます。ただしスペースに限りがあるので、乗ったら早めに置くが吉です。
Mサイズ(60cm×40cm、40〜50Lほど)のスーツケースなら座席上の棚に乗せることができました。私たちはこのサイズのスーツケースを使っていたので、荷物置き場と座席上の棚に分けて置けました。
【ポイント①】座席クラスは「Business」がシニアにおすすめ
フレッチャロッサには4つの座席クラスがあります。
| クラス | 相当 | 席配列 | 主なサービス |
|---|---|---|---|
| STANDARD(スタンダード) | 2等(普通車) | 2+2列 | 席のみ。Wi-Fi・コンセントあり |
| PREMIUM(プレミアム) | 2等+α | 2+2列(革張り) | ウェルカムドリンクのサービスあり |
| BUSINESS(ビジネス) | 1等 | 1+2列(革張り) | ウェルカムドリンク+スナック。サイレントエリアあり |
| EXECUTIVE(エグゼクティブ) | 特等 | 1+1列(革張り) | 食事・ドリンク・ラウンジ利用も。1車両わずか8〜10席 |
私たちが選んだのは「Business(ビジネス)」クラス。当時の感覚で「2等との差額が千円ちょっと」でした。旅行仲間から「ビジネスマンが多くて落ち着いた雰囲気」という情報を得ていたことも決め手でした。
実際に乗ってみてビジネスで正解だと思いました。1+2列配置でゆったりしており、席に着くとウェルカムドリンクと軽食(お菓子・水・ウェットティッシュ)が配られます。

特に「水のペットボトル」と「ウェットティッシュ」はその後の観光で本当に役立ちました。ローマの観光は歩き回るので、水が手元にあるのは助かります。
シニア世代で「できるだけ快適に移動したい」「スリなど治安が不安」という方には、Businessクラスをおすすめします。客層が落ち着いており、座席もゆったりしています。
⚡ 2026年現在:クラス体系は変わっていないが、料金差が縮まっている場合も
クラスの種類(Standard・Premium・Business・Executive)は今も同じです。ただし料金の仕組みが複雑になっています。
特に注意したいのが「Standardクラスの早割が売り切れると、Premiumより高くなることがある」という現象。席数の少ないクラスの方が割引料金が残っていて安くなるケースもあります。予約時は複数のクラスの料金を見比べることをおすすめします。
【ポイント②】予約は早ければ早いほど安い「早割」制度
フレッチャロッサのチケット料金は飛行機の早割と同じ仕組みです。早く買うほど安く、直前になるほど高くなります。
当時もこれを活用して予約していました。「当日に買えばいいや」と思っていると損をするし、人気の時間帯は売り切れることもあります。日程が決まったら早めに予約するのが正解です。
⚡ 2026年現在:割引チケットの種類が増えた
2018年当時より割引の種類が増えています。主なものをまとめます。
| 割引名 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| Super Economy(スーパーエコノミー) | 最安値クラス。早期購入で大幅割引 | 変更・払い戻し不可 |
| Economy(エコノミー) | 割引あり。1回のみ変更可 | 払い戻し不可 |
| Base(ベース) | 通常料金。変更・払い戻し可(手数料あり) | 直前まで残っていることが多い |
| FrecciaDAYS | 火・水・木曜日限定。最大70%OFF | 変更・払い戻し不可。6日前までに購入 |
| Speciale Frecce | 曜日不問の早割。最大60%OFF | 変更・払い戻し不可。14日前までに購入 |
旅程が確定しているなら「Super Economy」や「FrecciaDAYS」を狙うのが最もお得です。ただし変更・払い戻しが一切できないので、日程が固まってから予約しましょう。少し余裕を持たせたい方は「Economy」(1回変更可)が現実的な選択肢です。
【ポイント③】予約と乗車の方法 2018年→2026年の変化
📋 2018年当時の予約・乗車の流れ
当時はトレニタリア公式サイト(trenitalia.com)の英語ページから予約しました。出発駅・到着駅・日付・人数を入力して候補列車を選び、クレジットカードで決済すると、登録メールアドレスにPDFの予約確認書が届きます。それを紙にプリントアウトして持参しました。
乗車中に車掌が検札に来ます。紙を見せればOKで、刻印(打刻)は不要でした。
⚡ 2026年現在:スマホで完結・刻印不要・紙のプリント不要に
基本的な流れは変わっていませんが、いくつか便利になっています。
- 紙のプリント不要:スマホにEチケット(PDFまたはQRコード)を表示すれば、そのまま車掌に見せてOK
- 刻印(打刻)不要:フレッチャロッサは以前から刻印不要でしたが、今も同様。ローカル線の紙チケットは現在でも刻印が必要なので混同注意
- 公式サイトの使いやすさが改善:2018年当時は「途中でフリーズする」「英語が難しい」という声が多かったですが、現在はかなり使いやすくなっています
- 予約は10分以内に完了させること:タイムオーバーになると最初からやり直しになります。事前にアカウント登録しておくと個人情報入力がスキップできてスムーズ
| 項目 | 2018年当時 | 2026年現在 |
|---|---|---|
| 予約サイト | trenitalia.com(英語) | trenitalia.com(英語)。使いやすさ大幅改善 |
| チケット受け取り | PDFをプリントアウト・紙を持参 | スマホ画面のQRコード提示でOK(紙不要) |
| 刻印(打刻) | フレッチャロッサは不要 | 同様に不要(ローカル線は今も必要) |
| 検札 | 車内で車掌が来る | 同様。QRコードをスキャンされる |
| 日本語予約 | 公式英語サイトのみ | Omio(オミオ)で日本語予約可能(手数料1ユーロ/人) |
英語が苦手な方には Omio(オミオ) という日本語対応サービスがあります。手数料は1人1ユーロ追加になりますが、日本語で迷わず予約できるのは大きなメリットです。ただし、ストライキ発生時の払い戻しトラブルの報告もあるため、できれば公式サイトでの予約を推奨します。
【ポイント④】フィレンツェ駅の手荷物預かり「SKIP THE LINE」
今回の旅はヴェネツィアからフィレンツェに途中下車して、そのままローマへ移動するという行程でした。フィレンツェには9時間ほど滞在する予定で、スーツケースをどこかに預けないと観光できません。
フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅の手荷物預かり所を探したのですが、ネットで調べていた場所から移転していました。改札を出て左→すぐ左に曲がって駅伝いに歩いたところにありました。

窓口にはすでに長い列ができていて、20分ほど並んで室内に入ったところで係員に「何時間預けるか?」と聞かれました。「10時間ほど」と言うと「こっちへ来い」と別のレジに案内されて、1人12ユーロで預けることができました。
帰ってから調べて知ったのですが、これが「SKIP THE LINE(スキップ・ザ・ライン)」というサービスです。追加料金を払うと列に並ばずに預けられる仕組みで、私たちは気づかずにそのサービスに案内されていたわけです。
通常料金は当時「最初の5時間が6ユーロ、それ以降は1時間1ユーロ」だったので、10時間なら10ユーロのところ、12ユーロ払いました。最初からSKIP THE LINEを選べば20分並ばずに済んだのに、という後悔もあります。
⚡ 2026年現在:手荷物預かりの料金は上がっています
当時から料金が値上がりしているようです。また駅内の手荷物預かりカウンターの場所も変わっていることがあるため、現地で「Deposito bagagli(デポジート・バガッリ)」と書かれた案内を探してください。
なお、フィレンツェに限らず、ローマのテルミニ駅やヴェネツィアのサンタルチア駅にも手荷物預かりサービスがあります。途中下車や大型荷物を持って観光する際は事前に場所を確認しておくとスムーズです。
車内の様子:沿線風景も旅の楽しみのひとつ
朝早くサンタルチア駅を出発した私たちは、ホテルに朝食パックを頼んでいました(前日フロントに「朝食時間前に出発する」と伝えたらすぐにOKでした)。甘いパンやジュースが入ったパックで、車内でゆっくり食べました。

車窓からはのどかなイタリアの田舎が広がります。朝は曇りで途中で雨になりましたが、フィレンツェが近づくころにはすっかり晴れました。ラッキー。
まとめ:フレッチャロッサ乗車前チェックリスト
| チェック項目 | ポイント |
|---|---|
| ✅ 日程が決まったらすぐに予約 | 早割(Super Economy・FrecciaDAYS等)を狙う。旅程が確定してから購入を |
| ✅ 予約は公式サイト(英語)が最安値 | 英語が不安ならOmio(日本語・手数料1ユーロ/人)を使う |
| ✅ チケットはスマホに保存 | プリントアウトは不要。QRコードを画面表示できればOK |
| ✅ 出発30分前には駅構内へ | ホームは20分前ほどに表示される。掲示板の前で待機 |
| ✅ 荷物は絶対に自分で管理 | 「運んであげる」は断固断る。「No, grazie!」で切り抜ける |
| ✅ スーツケースは乗る前に準備 | 入口に3段の階段あり。同行者と協力して上げる |
| ✅ 座席はBusinessがシニアにおすすめ | 1+2列配置でゆったり。ドリンク・軽食サービスあり |
| ✅ 途中下車するなら手荷物預かりを確認 | 「Deposito bagagli」で事前に場所を確認しておく |
おわりに
フレッチャロッサはとても快適な移動手段です。ヴェネツィア・フィレンツェ・ローマを旅するなら、この鉄道をうまく使いこなすことが旅の質を大きく上げます。
気をつけるべきポイントは「ニセポーターへの対応」「ホームの直前表示」「早割チケットの変更不可」の3つに集約されます。ここさえ押さえておけば、あとは車窓の景色を楽しみながら快適な移動ができますよ。
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