シニア海外旅行の体調管理|60代70代が直面しやすい意外な落とし穴と対処法

海外旅行

シニア世代の海外旅行は、普段の生活では想像もしなかった体調トラブルに遭遇することがあります。例えば、薬を現地時間に合わせて飲むときの混乱や、突然の転倒、気候による持病の悪化など。
一般的な「水分補給」「無理しない」だけでは対応しきれないケースも多いのです。

この記事では、60代・70代の旅行ビギナーが安心して旅を楽しむために、よくある基本の体調管理に加え、シニアならではの特殊なトラブル事例とその対処法を具体的に紹介します。


出発前に必ず確認したい「薬と健康証明」

海外旅行で特に問題になるのが「薬の扱い」です。

  • 薬の時差問題:日本で朝晩飲んでいる薬を、現地時間にどう合わせるか混乱することがあります。→ 出発前に医師に「時差がある場合の服薬スケジュール」を確認しておくと安心です。
  • 薬の持ち込み規制:国によっては日本で普通に処方される睡眠薬や鎮痛薬が規制対象になることがあります。→ 英文の診断書や薬のリストを準備しておくことが必要です。
  • 持病の悪化に備える:糖尿病や高血圧など、長時間移動や気候変化で数値が乱れやすいため、直前の健康チェックも欠かせません。

フライト中に多い「特殊な不調」

一般的な乾燥や足のむくみ以外に、シニアに起こりやすいケースがあります。

  • 耳の気圧障害:加齢で耳管の働きが弱くなり、若い頃よりも耳抜きが難しくなる人も。→ ガムを噛む・専用の耳栓(エアープラグ)を使用する。
  • 心臓への負担:長時間座位で心拍数や血圧が不安定になりやすい。→ 着圧ソックスや定期的な散歩で予防。
  • 睡眠薬の使用注意:普段飲んでいない人が「眠れないから」と機内で飲むと、到着後にふらつき・転倒につながるリスクがあります。

現地で起こりやすい「シニア特有のトラブル」

  • 高地での体調不良:ペルーやネパールなど標高の高い場所では、高山病のリスクが高まります。頭痛や吐き気が出たら無理せず休養を。
  • 急な転倒や骨折:石畳の道や段差の多い観光地で転倒するケースは少なくありません。杖や滑りにくい靴を用意し、海外旅行保険に「救急搬送」が含まれているか必ず確認。
  • 食べ慣れない油や香辛料:胃腸が弱っているシニアには強烈なスパイス料理や脂っこい食事が大敵。胃腸薬を持参し、少量から試すのが安全です。

保険を実際に使うときの流れを知っておく

「保険に入っているから安心」と思っていても、現地で使うときに慌てるシニアが多いです。

  • キャッシュレス診療対応の病院を確認:渡航先に対応病院があるか、事前にリストアップしておく。
  • 緊急時の連絡先:保険会社の24時間デスクをスマホに登録しておく。
  • 立替払いのケース:一部の病院では現金払いが必要。領収書を必ず保管して帰国後に請求。

帰国後に出やすい「遅れてくる不調」

  • 感染症の潜伏期間:下痢や発熱が帰国後1週間してから出る場合があります。特に東南アジアではA型肝炎や細菌感染に注意。
  • 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の遅発型:帰国後しばらくしてから足の腫れや痛みが出ることも。症状があればすぐ受診を。
  • 時差ボケ+疲労で免疫低下:風邪をひきやすくなるため、帰国後は数日間ゆっくり休養を取りましょう。

現地で起こりやすい「シニア特有のトラブル」

ケース1:薬の時間管理に混乱した70代女性

70代のAさんは、普段から糖尿病の薬を朝・夕に服用していました。ヨーロッパ旅行では時差が7時間あり、日本時間の感覚で飲むべきか現地時間に合わせるべきか迷ってしまい、結果的に服薬の間隔が短くなって体調が崩れてしまいました。
→ 出発前に医師へ「時差のある旅行での服薬方法」を必ず相談しておくことが大切です。

ケース2:石畳で転倒した60代男性

イタリア観光中のBさん(60代)は、石畳の道で足を滑らせ転倒し、手首を骨折。幸い保険に入っていたため現地でキャッシュレス診療を受けられましたが、帰国まで片手が不自由で大変でした。
→ 海外旅行保険の「救急搬送・治療費用」が十分かどうかを必ず確認しておきましょう。

ケース3:高地で息苦しくなったシニア夫婦

ペルー旅行を楽しんでいたCさんご夫妻(60代)は、標高3,000mの街で急に息苦しさと頭痛を感じました。ツアーガイドの勧めで予定を変更し、低地で1日休養したことで回復。
→ 高地への旅行では、無理なスケジュールを避け、症状が出たらすぐ休養を取ることが重要です。


まとめ

シニアの海外旅行における体調管理は、「水を飲む」「無理をしない」といった基本の心がけに加えて、薬の時差問題・転倒リスク・高地や気候による体調変化・保険の使い方といった特殊な事例を想定しておくことが大切です。
少し先回りして備えておくだけで、60代・70代でも安心して旅を満喫できます。

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