海外旅行の楽しみを大きく左右するのがホテル選びです。快適な滞在になるはずが、「予約が通っていなかった」「部屋が違う」「キャンセルできなかった」などのトラブルに遭う人も少なくありません。
特に、海外旅行初心者やシニア世代の方は「現地で困ったらどうしよう」と不安になることもあるでしょう。
この記事では、海外ホテル予約でよくあるトラブル事例と、それを防ぐための注意点を詳しく解説します。
立地・設備・朝食・キャンセル条件といった選び方の基本から、トラブルに遭ったときの英語フレーズ、初心者・シニア向けの特別アドバイスまで、網羅的にまとめました。これを読めば、安心して海外ホテルを予約できるようになります。
1. 海外ホテル予約でよくあるトラブル事例
1-1. 予約が通っていない・ダブルブッキング
現地に到着してチェックインしようとしたら「予約が入っていない」と言われるケースは意外と多いです。原因は、格安サイトや知名度の低い予約サイトを利用した場合、システムエラーや情報連携の不具合が起きやすいことにあります。
事例:
- Agodaや小さな代理店を通した予約がホテル側に届いていなかった
- 同じ部屋を複数の旅行者が予約してしまい、ダブルブッキングになった
1-2. 部屋の条件が違う
「ツインを予約したのにダブルだった」「バスタブが無くシャワーのみだった」「朝食付きと思ったら付いていなかった」など、予約内容と実際の部屋が違うトラブルです。
レビューにも「部屋が写真と違った」「思ったより狭い」という不満はよく見られます。特に格安ホテルや古い施設では、写真が最新でない場合もあるため要注意です。
1-3. キャンセルや返金ができない
「急な体調不良で行けなくなった」「フライトが欠航した」という場合でも、返金不可プランを選んでいた場合は払い戻しができません。格安料金には「キャンセル不可」がセットになっていることが多いため、注意が必要です。
1-4. 立地の問題
「駅近と書いてあったのに実際は徒歩30分以上」「治安が悪く夜道が怖い」といったケースも。地図で確認せずに予約すると、観光や移動のたびに大変な思いをすることになります。
2. トラブルを避けるための海外ホテル予約チェックポイント
2-1. 立地はGoogleマップで必ず確認
- 最寄り駅やバス停から徒歩何分か
- 空港や主要観光地までのアクセス
- 周辺の治安(レビューやストリートビューで確認)
ポイント:
ホテルの公式サイトは「駅近」と書いていても、実際は坂道や治安の悪いエリアの場合があります。地図アプリで「夜の雰囲気」まで調べておくと安心です。
具体例:Booking.comの地図機能を活用
Booking.comでは、ホテルの詳細ページに地図が表示され、周辺の施設や交通機関の位置を確認できます。例えば、パリのホテルを検索すると、エッフェル塔やルーブル美術館などの主要観光地との距離が一目でわかります。

2-2. 設備とサービスを要チェック
- Wi-Fiは無料か有料か
- エアコン・暖房はあるか(特にヨーロッパは無い場合も)
- エレベーター・バリアフリー対応
- 冷蔵庫やセーフティボックスの有無
シニア旅行では特に重要なのがエレベーター。
ヨーロッパの古いホテルでは「階段のみ」が普通にあり、荷物の持ち運びが大変です。
2-3. 朝食の有無を確認
「朝食付き」かどうかは要確認!
予約画面で「朝食付き」と思って予約したら、実は「素泊まりプラン」だったというのはよくあるトラブルです。
→プラン名の最後に “Room only” と書いてあったら「朝食なし」なので注意。
例:
- ✔️「Standard Twin Room with Breakfast」=朝食付き
- ⚠️「Standard Twin Room – Room Only」=朝食なし
★ワンポイント: 予約後も確認メールで「Breakfast Included(朝食含む)」の記載があるかチェック!
2-4. キャンセル条件は必ず読む
キャンセル無料(Free Cancellation)の期間に注意
「キャンセル無料」と書いてあっても、○日前までという条件がついていることが多いです。
例:
- ✔️「3日前までキャンセル無料」
- ⚠️「予約完了と同時にキャンセル不可」プランも存在(“Non-refundable”と記載あり)
★ワンポイント: 「非返金プラン」は安くなる代わりにキャンセルできないので、予定が確定している時だけ選びましょう。
格安に見えるプランほど返金不可が多いので注意。旅行が不確定な場合は、多少高くてもキャンセル無料プランをおすすめします。
2-5. 現地での支払い?事前決済?支払い方法の確認を!
ホテルを予約する際は、「いつ・どうやって支払うか」も必ずチェックしましょう。
同じホテルでも、プランによって支払いタイミングや方法が異なる場合があります。
✅ よくある支払いタイプと注意点
1. 事前決済(Prepaid / Pay now)
予約時にクレジットカードで決済が完了するタイプ。為替レートや支出を事前に把握できるのがメリットです。
例:
- 「この予約は即時にクレジットカードで請求されます」
- 表示価格が「税込・支払済」となっている
メリット:
- 現地での支払い不要でスムーズ
- 通貨レートが変動しても支払い額が確定して安心
注意点:
- 「返金不可」プランが多い(キャンセルできない)
- 利用するクレジットカードが海外決済に対応しているか要確認
2. 現地払い(Pay at hotel / Pay later)
予約は確定していても、チェックイン時またはチェックアウト時に支払う方式。予約時には料金の請求はありません。
例:
- 「キャンセル期限まで無料・支払いは現地で」
- 「No charges will be made until your arrival」
メリット:
- キャンセル可能期間中はリスクが少ない
- 為替状況や旅行予算に合わせて調整しやすい
注意点:
- 為替レートの変動で支払い額が変わる可能性あり
- 一部ホテルでは、現地支払いでも事前に「デポジット(保証金)」の引き落としあり
3. 現地での支払い方法:現金NGのことも!
多くの海外ホテルでは、クレジットカードのみ対応というところも。特に欧米や都市部では、現金払いができないホテルも増えています。
例:
- 「Only major credit cards accepted」
- 「現金不可(Cash not accepted)」と記載あり
★ワンポイント:
- デビットカードやプリペイドカードが使えないケースも
- 必ず「支払い方法(Payment method)」欄を確認しましょう
✅ 支払いタイプの見分け方(予約サイトでの表記)
表示 | 意味 |
---|---|
「支払いは宿泊施設で」 | 現地払い(Pay at hotel) |
「今すぐ支払う」 | 事前決済(Prepaid) |
「キャンセル不可・即時課金」 | 非返金の事前決済 |
「クレジットカード不要で予約可能」 | 一部の予約サイトで可能な場合あり(要注意) |
まとめ:安心のために「支払いの条件」も忘れずチェック!
「予約したのに現地で現金払いできなかった」「思ったより高くついた」など、支払い条件の見落としがトラブルにつながることも。
予約前に支払い方法・タイミング・使えるカードを確認して、スムーズな滞在に
2-6.トラブル回避のために「問い合わせ」できる環境も確認
ホテル予約では、いざというときにすぐ問い合わせできるかどうかも安心材料のひとつです。
特に海外では、言語や時差、現地事情の違いからトラブルが起こる可能性もあるため、事前に“連絡手段があるか”を確認しておくことが重要です。
✅ 「ホテルに直接連絡できるか」を確認しよう
予約サイトで予約した場合でも、以下のような情報が明記されているホテルを選ぶと安心です。
例:
- ホテルのメールアドレスが記載されている
- 電話番号(国際電話対応)あり
- WhatsAppやチャット対応のホテルも増えている
💡Booking.comやAgodaなどでは、予約確定後に「ホテルにメッセージを送る」機能が使える場合が多いです。
✅ 実際に問い合わせてみるのも◎
たとえばこんなケースでは、事前に問い合わせておくと安心です。
- 「深夜に到着するけどチェックインできる?」
- 「空港送迎サービスはある?」
- 「朝食はベジタリアン対応してますか?」
→ 丁寧な返信が返ってくるかどうかで、ホテルの対応力もチェックできます。
✅ 日本語対応のカスタマーサポートがあるか
英語が苦手な方には、予約サイトのカスタマーサポートが日本語に対応しているかどうかも大事なポイントです。
例:
- Booking.com:24時間日本語対応サポートあり
- 楽天トラベル(海外):国内のコールセンター対応
- Expedia:チャットや電話で日本語対応可能な時間帯あり
✅ トラブル例と備え方(事前に準備を!)
トラブル例 | 事前の対策 |
---|---|
「予約が入っていなかった」 | 予約確認メールを保存・印刷しておく |
「ホテルに到着したが閉まっていた」 | 深夜チェックイン可能か問い合わせておく |
「部屋の設備が説明と違った」 | 到着直後に写真を撮って証拠を残す |
「キャンセル処理されていない」 | サポートに即連絡(履歴が残るチャットがおすすめ) |
まとめ:安心して旅を楽しむために「連絡手段の確保」は重要!
予約時には「価格」や「設備」だけでなく、トラブル時に対応できる“問い合わせのしやすさ”も重要な判断ポイントです。
ホテルに直接連絡できる体制があるか、予約サイトのサポートが頼れるか、事前にチェックしておくことで、旅先での不安を減らせます。
2-7. 複数サイトで比較する
- 大手予約サイト(Booking.com、Expedia、Agodaなど)
- 公式サイト(意外と安い場合あり)
同じ部屋でも料金や条件が異なることがあります。必ず2~3サイトで比較してから予約しましょう。
3. 海外ホテル予約トラブルに遭ったときの対処法
どんなに注意していても、海外ホテルでは予期せぬトラブルが発生することがあります。大切なのは「慌てず、冷静に対応すること」です。ここでは、代表的なトラブルごとに具体的な対処法を紹介します。
3-1. 予約が通っていない・ダブルブッキングの場合
ホテルに到着して「予約が入っていない」と言われたときは、まず予約確認メールやバウチャーを提示しましょう。予約番号・ホテル名・宿泊日が確認できれば、フロント側も対応しやすくなります。
もしダブルブッキングで部屋が用意できない場合は、ホテル側が代替ホテルを手配するのが一般的です。その際、交通費や差額負担を求められることもあるので必ず確認してください。
英語フレーズ例
- I have a booking. Here is the confirmation.(予約しています。こちらが確認書です)
- Could you arrange another room or hotel?(別の部屋やホテルを手配していただけますか?)
3-2. 部屋の条件が違う場合
「禁煙室を予約したのに喫煙室だった」「オーシャンビューを予約したのに駐車場ビューだった」というのはよくある話です。この場合も、まずは予約確認書に記載された条件を提示しましょう。
すぐに希望の部屋に移動できない場合でも、翌日以降に移動できるケースや、割引・特典(朝食無料など)を提示してもらえることもあります。強く言うよりも冷静に交渉するのがポイントです。
英語フレーズ例
- I booked a non-smoking/twin/seaview room.(禁煙/ツイン/オーシャンビューの部屋を予約しました)
- Is it possible to change the room?(部屋を変更できますか?)
3-3. キャンセルや返金トラブルの場合
「キャンセルしたのに返金されない」「サイトに書かれた条件と違う」など、返金をめぐるトラブルも少なくありません。この場合は、まず予約サイトの規約を確認し、ホテルではなく予約サイトのカスタマーサポートに連絡しましょう。
返金不可プランであっても、交渉次第では一部返金や日程変更に応じてもらえる場合もあります。
英語フレーズ例
- I canceled my booking, but I haven’t received a refund.(予約をキャンセルしましたが返金がありません)
- Could you check the cancellation policy again?(キャンセルポリシーを再度確認していただけますか?)
3-4. 立地・アクセスの問題
「思ったより駅から遠い」「治安が悪そうなエリアだった」など現地に着いて初めてわかることもあります。この場合は、ホテルに相談してシャトルバスやタクシーを利用できるか確認しましょう。
夜間の移動に不安がある場合は、チェックアウトして別のホテルに移動するのも選択肢です。差額が発生しても安全第一で考えることをおすすめします。
英語フレーズ例
- Is there a shuttle bus to the city center?(市内までのシャトルバスはありますか?)
- Could you call a taxi for me?(タクシーを呼んでいただけますか?)
3-5. トラブル時の共通ポイント
- 証拠を残す: 予約確認メール・領収書・スクリーンショットを必ず保存
- 記録をとる: フロント担当者の名前ややり取りをメモ
- 第三者を巻き込む: 予約サイトのサポートやクレジットカード会社に相談
- 冷静に交渉する: 強く怒るよりも、丁寧に粘り強く伝える方が解決につながる
3-6. シニア・初心者向けの注意点
海外ホテルのトラブル対応は、英語が苦手な人や高齢の旅行者にとっては大きな不安材料です。以下の工夫をしておくと安心です。
- フレーズを紙に書いて持参
英語で話すのが難しいときは、事前にフレーズを書いたメモをフロントに見せるだけでも意思が伝わります。 - 翻訳アプリを活用
Google翻訳などをスマホに入れておけば、相手の言葉を理解しやすくなります。 - 旅行保険のサポートを利用
海外旅行保険には、日本語で相談できるサポートデスクが用意されていることがあります。返金やトラブル交渉に困ったら積極的に利用しましょう。 - 連絡先を控えておく
予約サイトのサポート窓口、大使館や領事館の電話番号を紙でも控えておくと安心です。
特に70歳以上のシニア旅行者は、体力や言語の壁がある分、「自分一人で解決しようとしない」ことが大切です。事前準備とサポート先の把握が、トラブルを大きくしないポイントになります。
4. シニアや初心者への特別アドバイス
4-1. シニア旅行者におすすめのホテル選び
- エレベーターの有無を必ず確認
- 病院や薬局が近い立地を選ぶ
- 移動負担を減らすため、駅から近いホテルを
体験談:
70代の方が「安さで選んだら地下鉄から徒歩20分、石畳の坂道で大変だった」と後悔したケースも。立地の便利さは体力に直結します。
4-2. 初心者が安心できる予約方法
- まずは大手予約サイトを利用(日本語対応があると安心)
- チェックイン・チェックアウト時間を確認
- 日本語レビューを参考にする
星の数やレビューだけでなく「日本人の口コミ」も参考に
海外ホテル選びでは、まず星の数(★)や全体の評価点数に目が行きがちですが、それだけで判断するのは危険です。特にシニア旅行者や初めての国への旅行では、日本人の口コミがとても参考になります。
なぜ日本人の口コミが重要なのか?
- 清潔感や設備に対する感覚が似ている
→ 海外では「清潔」とされるレベルが日本とは異なる場合も多いため、日本人の感覚で「清潔」とされているホテルは安心。 - シャワーやバスタブ、トイレ事情が詳しく書かれている
→ たとえば「シャワーの水圧が弱い」「お湯が出にくい」「トイレにウォシュレットがない」など、日本人が気にするポイントが書かれがち。 - 日本語で細かく書かれていて読みやすい
→ 英語や現地語のレビューは情報が断片的なこともありますが、日本語のレビューは体験談として詳しく書かれていることが多いです。
実際の例
パリの3つ星ホテルを予約サイトで見つけて評価は8.5点と高評価。でも英語レビューばかりでよく分からず…。
日本人の口コミを見たら、「部屋は清潔でスタッフも親切。ただしエレベーターが非常に狭く、スーツケースがぎりぎりだった」とのこと。
高齢の両親との旅行だったので、その情報が決め手になりました。
どこで日本人口コミが見られる?
- Booking.com
→ フィルターで「日本語のレビュー」のみに絞ることが可能。 - 楽天トラベル(海外ホテル)
→ 日本人利用者が多く、日本語レビューが豊富。 - TripAdvisor(日本語版)
→ 写真付きで詳しい口コミが投稿されていることもあり参考になります。
このように、評価の高さだけでなく、「誰がその評価をしているか」を意識して、自分と似た視点の口コミを参考にすることが、ホテル選びの失敗を防ぐポイントです。
5. まとめ
海外ホテル予約でよくあるトラブルは、立地・設備・朝食・キャンセル条件を事前にしっかり確認すればほとんど防げます。予約時には複数サイトを比較し、安心できるプランを選ぶことが大切です。
万一トラブルに遭遇しても、英語フレーズや予約確認書を準備しておけば落ち着いて対応できます。シニアや初心者の方も、この記事のチェックリストを参考にすれば安心してホテル予約ができるでしょう。
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