60代で海外旅行を計画するとき、多くの方が感じるのが「若いころより疲れやすい」という不安です。
楽しみにしていた旅行が、移動や観光の疲れで思うように楽しめないのは残念ですよね。
そこで今回は、「60代 海外旅行 疲れる」と悩む方に向けた実践的な工夫をまとめました。
これらは70代以降でも役立つ内容です。旅行の前にぜひ目を通してみてください。
なぜ60代は海外旅行で疲れるのか
まず原因を知ることが大切です。
- 長時間フライトでの同じ姿勢
- 観光スケジュールの詰め込みすぎ
- 食事や水分不足からくる体調不良
- 現地の暑さ・寒さや気候の違い
- 日常生活とのリズムのずれ(時差ボケ)
こうした要素が重なって、60代の旅行者は「若いころにはなかった疲れ」を感じやすくなるのです。
出発前の準備で「疲れる」を半分減らす
1) 旅程設計:無理のない動線にする
- 直行便>乗継:乗継は1回まで、空港滞在は2–3時間の余裕を。
- 一都市連泊:3泊以上は連泊ベースで。都市間移動は最小限に。
- 到着日の過ごし方を軽めに:観光は30–60分の散歩+早めの就寝。
- 観光は1日2スポット:午前1・夕方1。午後は休息をデフォルトに。
2) 健康・薬・保険:不測の事態に強くなる
- かかりつけ医で相談:血圧・糖尿・循環器などは旅先の服薬タイミングも確認。
- 薬の持参:日数+2–3日分を機内持ち込みに。お薬手帳/一般名/英文の処方内容メモがあると安心。
- 胃腸・痛み対策:整腸薬・胃薬・鎮痛剤・湿布。経口補水パウダーも便利。
- 海外旅行保険:治療費・救援者費用などが十分なプランを。キャッシュレス診療対応を選ぶ。
3) 荷物最適化:軽さは最大の体力温存
- スーツケース重量の目安:往路時10kg以下を目標(機内持込+預け1で分散)。
- 服は“3×3着回し”:トップス3×ボトムス3×羽織1で7日対応。色は中間色で統一。
- 靴は2足:歩行用スニーカー+軽いサブ。新品は避け、履き慣れたもの。
- 整理術:パッキングキューブ/圧縮袋/薬・充電は1ポーチに集約。
4) 事前予約で待ち時間を減らす
- 人気施設は日時指定チケットで行列回避。
- 空港ラウンジ(カード・有料可)を利用し、静かな椅子+軽食+水分補給で体力温存。
- ホテルは立地重視:駅・停留所・主要スポット徒歩10–15分圏、バスタブ付客室だと回復しやすい。
機内:60代が「疲れる」を感じにくくする実践ルーティン
詳しい機内テクニックは特化記事をどうぞ:
シニア旅行者におすすめの疲れない機内の過ごし方
座席と装備
- 通路側/前方席:立ち上がりやすい。可能ならプレエコで座面広く。
- 必携:着圧ソックス・ネックピロー・アイマスク・耳栓・保湿マスク・リップ/ハンドクリーム。
- 保水:離陸前200ml → 2時間ごと200–300mlを目安。アルコールは控えめ。
3–4時間ごとの“こまめ動作”
- 90分ごとに足首回し・かかと上げ20回、膝抱えストレッチ。
- 通路歩行:トイレついでに2–3分歩く。
6時間便/12時間便のモデル
- 6時間:機内食→軽ストレッチ→映画1本→仮眠→着陸前に白湯。
- 12時間:食事→90分後ストレッチ→仮眠2–3時間→読書/映画→再度仮眠→着陸1–2時間前に体を起こす。
豆知識:空調は乾燥しやすい。鼻腔保湿スプレーやのど飴があると喉・鼻の不快感を軽減。
乗り継ぎ・空港で疲れをためない
- 乗継は“余裕勝ち”:最低2時間、理想は2.5–3時間。手荷物検査列が伸びても慌てない。
- 車いす/荷物アシスト:空港の特別支援サービスは事前申請で利用可。長い廊下移動を省ける。
- ラウンジで酸素と姿勢を整える:静かな席で深呼吸、軽いストレッチ、温かい飲み物。
現地で「疲れる」を減らす具体策
1) 1日のリズム
- 午前:活動/午後:休息を基本に。15–30分の横になれる休憩を必ず挟む。
- **連泊地では“ノー観光日”**を1日設けると、全体の満足度が上がる。
2) 移動の最適化
- タクシー・配車アプリの積極利用:石畳や坂道の多い都市では歩数を8000歩以内に抑える。
- 階段回避動線:エレベーターのある駅出口を事前にチェック。
3) 行列・混雑の回避
- ピーク前後に訪問:開館直後/閉館前1–2時間。
- 事前予約・時間指定を徹底。
4) 服装と気候対策
- “脱ぎ着3層”:薄手インナー+長袖カーディガン+軽ジャケット。
- 日差し・紫外線:帽子・サングラス、首元に冷感タオル。
5) 食事・水分
- 1日1食は“軽め”(スープ・サラダ・和食)。
- 水は500mlを常に携帯、経口補水は朝と午後に1回ずつ。
6) 足と睡眠のケア
- 夜は湯船に浸かる(バスタブ付ホテル推奨)。
- 就寝儀式:ぬるめのシャワー→軽いストレッチ→リラクゼーション音。
7) 最終日の“戻る準備”
- 帰国前夜は早寝、水分多め、塩分控えめの夕食でむくみリセット。
観光を詰め込みすぎないためのモデル日程
例1:アジアの大都市 4日間
- 1日目 到着:チェックイン→周辺を30–60分散歩→早めの夕食→21時就寝
- 2日目 午前:主要スポットA→ホテルで昼寝→夕方:川沿い散歩/夜景
- 3日目 午前:博物館→カフェで1時間休憩→夕方:市場散策
- 4日目 出発:空港は3時間前到着→ラウンジで休憩
例2:ヨーロッパ 8泊9日(2都市連泊)
- 1–3日目 都市A連泊:午前観光→午後休息→夕方短時間外出
- 4日目 鉄道移動:昼前出発→夕方チェックインのみ
- 5–7日目 都市B連泊:ノー観光日1日+2日観光
- 8,9日目 帰国:空港は3時間前到着
ツアーを賢く使う(60代に合う選び方)
- “ゆったり連泊”表記のコースを選ぶ。
- 1日の歩行量・観光時間が明記されたパンフをチェック。
- 添乗員同行・手荷物宅配・空港送迎付は疲労を激減。
より安心志向の方向けの特集はこちら:
70代の海外旅行におすすめ|シニア限定安心ツアー特集
60代でも参考になる“ゆったり設計”のモデルが多数。
具体的な持ち物リスト(目的別)
機内・移動の快適グッズ
- 着圧ソックス:脚のむくみ予防。
- ネックピロー/アイマスク/耳栓:睡眠環境の確保。
- 保湿アイテム:リップ・ハンドクリーム・喉スプレー。
- 薄手ストール:冷房対策。
健康・医療
- 常備薬・処方薬(予備含む):機内持込。お薬手帳・英文メモ。
- 鎮痛薬・整腸薬・胃薬・湿布。
- 経口補水パウダー:時差・暑さ対策に。
- マグネシウム系入浴剤(小分け):ホテルで足リセット。
衣類・靴
- 歩きやすい靴×2(履き慣れ・滑りにくい)。
- 速乾下着・靴下:洗って夜に乾くもの。
- 軽量レインジャケット:天候急変に対応。
デジタル・書類
- スマホ+充電一式/モバイルバッテリー。
- 変換プラグ・マルチ電源タップ。
- パスポート・保険証券・予約控えはクリアファイル1冊に集約。
現地快適
- 折りたたみエコバッグ(買い物・洗濯物に)。
- 小分け調味料(味噌汁・塩・砂糖):食が合わない時の保険。
- 靴ずれ対策(絆創膏・保護テープ)。
よくある失敗&回避策
- 到着日にフル観光 → 散歩+早寝に切替。
- “安いけど遠い”ホテル → 立地最優先で移動疲労を削減。
- 並ぶスポットに突撃 → 時間指定チケットを事前取得。
- 荷物多すぎ → 往路10kg以下ルールで厳選。
関連リンク
- 機内の詳細テクニック:
シニア旅行者におすすめの疲れない機内の過ごし方 - ツアー比較・選び方の参考:
70代の海外旅行におすすめ|シニア限定安心ツアー特集
まとめ
シニアが海外旅行で疲れる原因の多くは、事前準備・機内の過ごし方・現地の過ごし方で大きく減らせます。
- 直行便・連泊・到着日は軽めの行動
- 機内では“90分ごとに動く”+“水分”+“保湿”
- 現地は午前活動・午後休息、行列回避、立地の良いホテル
- ツアーなら“ゆったり設計”を選ぶ
準備と小さな工夫で、旅の満足度は見違えるはず。無理をせず、自分のペースで「楽しかった」と言える旅にしましょう。