海外旅行はまだまだ楽しみたい。
でも、70代前後の方からよく聞くのがこんな声です。
「歩けるけれど、ちょっとした段差が怖い」
「階段は上りより下りが不安」
「石畳が続くと足がだるくなる」
実はこの悩み、同世代の旅慣れた方でも驚くほど多いもの。
しかし、ネット上で段差対策を調べても
「バリアフリー完備」
「歩きやすい街」
といった一般論しか出てきません。
これでは、どこが本当に歩きやすいのかがわかりませんし、段差を減らすコツもつかめません。
そこでこの記事では、
“段差を避ける”という新しい視点 から、
- 70代でも無理せず歩ける観光地の選び方
- 段差を激減させる旅のテクニック
- 現地で「どのルートを歩けば疲れないか」という具体例
- 段差が少ない世界の旅行先7つ
までを、私自身の旅行経験と調査をもとにまとめました。
「海外旅行は好き。でも階段と石畳だけが不安」
そんな方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
■ 70代旅行で“段差がつらい”本当の理由
— 段差そのものより“段差の連続”が体力を奪う
「段差がつらい」といっても、5〜10cmの段差だけなら大抵の方は問題ありません。
ではなぜ海外旅行で急にしんどくなるのか。理由は以下の通りです。
疲れの正体は「段差の連続」
1日観光していると、50〜100回程度の“ちょい段差”を無意識に上り下りしています。
疲れの原因は 1回の段差ではなく、累積回数 です。
石畳は「段差+不安定」のダブルパンチ
ヨーロッパの旧市街に多い石畳は、
- 足裏が疲れる
- 少しの凸凹も“段差”としてカウントされる
- 転倒リスクが高い
という理由でシニアには意外に負担大。
上りより“下り”が危険
下り階段は膝への負担が倍増し、踏み外しの危険も大きい。
70代で段差が怖く感じる方の多くが「下りが苦手」という特徴があります。
高低差のある街は体力を削る
坂の街はせっかくの景色も楽しめず、移動だけで疲労が溜まりがちです。
つまり、
“段差の少ない街”を選ぶのは大事ですが、
「段差の総量を減らす旅をどう作るか」こそ重要 なのです。
■ 段差の少ない旅を実現する5つの方法
— 観光地選びより“回り方の工夫”が決め手
目的地がどこであっても、段差を激減させる方法があります。
Google Maps で「高低差」を事前チェック
観光地を検索 → 地形(Terrain)をオンにすると標高差が見られます。
坂が多い街かどうかが一瞬でわかる、便利な方法です。
“入口”ではなく“出口から逆算”してルートを組む
階段があるなら、
- 上り階段にするか
- 下り階段にするか
で疲労は大きく変わります。
下り階段が苦手な人は、出口を上の地点にする と負担が減ります。
観光は“午前中が勝負”
気温・人混み・疲労の3つが重なる午後は段差が負担になります。
午前に主要観光 → 午後はカフェや乗り物での移動が最適です。
ケーブルカー・エレベーターを“体験”として使う
「楽しただけ」と思う必要はありません。
むしろ景色を高い場所から楽しめる絶景体験です。
石畳の街は“外側のルート”を歩く
石畳は中心街に集中しています。
外側のアスファルトは歩きやすく、段差も少ないため
旧市街=石畳の中を歩く必要はない ことが多いです。
70代でも歩きやすい!段差ストレスの少ない“世界の観光地7選”
ここからは、実際に70代でも無理なく歩ける街を厳選して紹介します。
単なる「歩きやすい街」ではなく、
“どの道を通れば本当に楽なのか” まで具体的に書きます。
シンガポール
段差ストレス:世界トップレベルで少ない都市
歩きやすさの理由
- 歩道のほとんどが“完全フラット”で、日本以上の平坦さ
- 地下鉄MRTはすべてエレベーター完備(壊れていても必ず代替ルートあり)
- 観光スポットが空中通路・地下通路で接続されており、外に出なくても移動可能
段差が出やすい場所
- ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの「クラウドフォレスト」内部に若干のスロープあり
- チャイナタウンの古い寺院周辺は階段が少しだけ残る
段差回避テク(ここが“シンガポールならでは”)
- マリーナベイ周辺は地下通路網が最強
→ 地上は人が多く小さな段差が散在するが、地下は完全フラットで快適。 - 観光の移動は“全てモール経由”
→ ショッピングモール同士が繋がっており、屋内でほぼ段差ゼロの大移動が可能。 - タクシーはアプリ「Grab」
→ 乗車位置が分かりやすく、段差のないピックアップポイントを指定しやすい。
バンクーバー(カナダ)
“海沿い=段差ゼロ”の理想的な散歩都市
歩きやすさの理由
- 海岸線に沿って“平坦な遊歩道”が20km以上続く
- 歩道に小さな段差がほぼ存在しない
- 公園にスロープが豊富で、芝生や森でも歩きやすい
段差が出やすい場所
- ガスタウンの一部に石畳あり(観光の中心部のみ)
- スタンレーパークの内部は上り下りが発生するルートがある
段差回避テク
- スタンレーパークは“海沿いのシーウォール”だけ歩く
→ 内部ルートに入らないだけで段差はほぼゼロ。 - ガスタウンはメイン通りではなく“ハーバー側の外周”を歩く
→ 石畳を避け、アスファルトで快適に回れる。 - ノースバンクーバーへは“シーバス(船)”
→ 船は段差のない乗り場からスッと乗れる。海の景色も楽しめて一石二鳥。
コペンハーゲン(デンマーク)
自転車大国=段差をなくす文化が根付いた街
歩きやすさの理由
- 自転車道整備のため歩道もフラットに整えられている
- 観光地の多くが地図上で“線でつながる”ほど平坦
- 運河ボートがエレベーター感覚で使える
段差が出やすい場所
- 旧市街の中心部には石畳が点在
- 宮殿周辺にわずかに段差あり
段差回避テク
- ニューハウン(港町)は“裏通り”がフラットで穴場
→ 表通りは石畳が多いが、一本外に出ると整備された歩道。 - 移動は“運河ボート”を最大活用
→ 陸上を歩くより段差が減り、観光地同士の移動も快適。 - ティボリ公園は“東側の入り口”が段差少なめ
→ 西側の門は階段が多い。入口の選び方で全く違う。
ゴールドコースト(オーストラリア)
段差ゼロのビーチ歩きが“旅行の主役になる”街
歩きやすさの理由
- 海沿いの遊歩道は世界屈指の快適さ
- トラム(路面電車)が観光地を縦に貫き、ほぼ段差ゼロで乗降可能
- 信号も横断歩道もフラットで、足に優しい
段差が出やすい場所
- ビーチに直接降りる階段
- サーファーズパラダイス中心の古い商業ビル
段差回避テク
- ビーチは“スロープのあるポイント”だけ利用
→ ビーチの出入口は数十メートルごとにあり、スロープ地点を選ぶと段差ゼロ。 - トラム移動で“徒歩距離”を極限まで短縮
→ 主要観光地はすべてトラム沿線にあるため歩く必要が激減。 - ビーチを見ながら歩きたいときは“ボードウォーク側”
→ 砂浜側はやや不安定だが、ボードウォークは完全に平坦。
ホノルル(ハワイ)
段差の少なさ・気候・アクセスすべてが揃う“歩ける街”
歩きやすさの理由
- 観光地全域で歩道が広く、寸分変わらぬフラットさ
- ゆっくり歩く観光客が多く、焦らなくてよい
- バスも段差が少なく乗りやすい
段差が出やすい場所
- ハレイワなど郊外の古い地区
- ダイヤモンドヘッドの内部(山頂は階段多数)
段差回避テク
- ワイキキ周辺だけで観光を完結させる“ワイキキ完結型旅行”が段差最少
→ ワイキキ〜カピオラニ公園〜アラモアナまで、ずっと平坦な快適ルート。 - アラモアナ公園は“海側ルート”がベスト
→ 内側は多少起伏がある。 - ダイヤモンドヘッドは“外周道路だけ歩く”散歩コースが穴場
→ 山頂に行かなくても絶景が楽しめ、段差ほぼゼロ。
ドバイ
“屋外を歩かない”という逆転発想が段差を消す都市
歩きやすさの理由
- 暑さ対策で、都市全体が“室内移動中心”の設計
- モール内の移動だけで観光が成立する
- メトロはエレベーター常設、通路の距離が短い
段差が出やすい場所
- 砂漠ツアーの車の乗り降り
- ビーチ周辺の一部
段差回避テク(ドバイ独自の工夫が多い)
- ドバイモールは“館内移動だけで半日観光できる”
→ 水族館、展望台、噴水ショーなどすべて屋内接続。段差ゼロ。 - 砂漠ツアーは“ロイヤルプラチナム号などの低床車”を指定
→ 車高が低く、乗り降りがしやすい。 - 外を歩かず“メトロ直結のデッキ”のみで移動
→ 高架通路が街中に張り巡らされているため、地上の段差を完全回避できる。
台北(台湾)
アジアで最も“段差ケア”の行き届いた都市
歩きやすさの理由
- MRT(地下鉄)のエレベーター設置率は世界最高水準
- 歩道が広く、スロープが多い
- 観光地がコンパクトで、長距離を歩かなくても観光できる
段差が出やすい場所
- 九份の階段(有名な石段街)
- 古い寺院の入口
段差回避テク(台北は“裏ルート”が超重要)
- 九份は“上の駐車場”から入る裏ルートをタクシーに伝える
→ 「上の入口(頂上側の入り口)」を使えば階段ほぼゼロで絶景エリアだけ楽しめる。 - 龍山寺は“北側入口”が平坦で入りやすい
→ 正面は少し段差あり。 - 士林夜市は“地下フードコートに直行”が歩きやすい
→ 地上は混雑で小段差が多いが、地下はフラットで快適。
持ち物と歩き方のコツ — “旅行当日から即効果あり”の段差対策
ソフトインソール(厚さ3cm以内)
段差のつらさは “衝撃の吸収不足” が原因です。
ソールが薄い靴だと、ちょっとした段差でも膝にガツンと響きます。
ソフトインソールは、段差で踏み出した瞬間の衝撃を20〜40%も軽減すると言われ、
70代の旅行者にとっては“つけたその日から違いが分かるアイテム”。
特にヨーロッパの「5cmの階段の繰り返し」「石畳の細かい凸凹」で効果が絶大です。
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旅行前に靴へ“貼るだけ”で、階段・段差のストレスが半減します。
石畳に強い靴底(ゴム強め・グリップ強め)
段差より危険なのが「石畳で足を持っていかれる」こと。
70代に多い転倒リスクは、段差よりも“靴底の滑り”が原因なのです。
石畳に強い靴の条件は
- 靴底が柔らかいゴム素材
- 溝が深い(グリップ力が高い)
- ミッドソールが厚すぎない(引っかからない)
特にスペイン・ポルトガル・イタリアは地面がツルツルな場所が多く、
“旅行用の普段靴”では不十分なことがよくあります。
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- リゲッタ(Re:getA)ローファー・ウォーキングシリーズ
- MOONSTAR スポルス(SPORTH)撥水ウォーキングシューズ
- ヨネックス パワークッションウォーキングシューズ(石畳で滑りにくいと評判)
「石畳が苦手な靴」はほんの少しの段差でも転倒リスクが上がるので、靴底選びは最重要です。
“1時間ごとの休憩ルール”
段差でつまずく最大の原因のひとつが “ふくらはぎのむくみ” です。
むくむと足首の可動域が狭くなり、小さな段差でも上がりにくくなります。
海外旅行の失敗談でよくあるのが
「午前中は元気だったのに、午後に急に足が上がらなくなる」
というパターン。
そこで効果があるのが、
「1時間歩いたら3〜5分座る」だけのルール。
・喫茶店
・バス待ちのベンチ
・教会の椅子
など、どこでもOKです。
さらに効果を高めるなら、
軽圧着ソックス(着圧弱め)が1日中むくみを抑えてくれます。
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段差のヒヤッとする瞬間は“むくみ”が原因であることが非常に多いです。
折りたたみ杖(海外では“おしゃれステッキ”が主流)
日本だと杖=「年寄りっぽい」と思われがちですが、
ヨーロッパでは旅行用ステッキは普通です。
特に段差・坂道・石畳が多い街では、ステッキの有無で“歩ける距離”が倍違うこともあります。
折りたたみならバッグに入れられ、いざという時に出せます。
段差を降りるときの安定感はまさに“別次元”。
こんな場所で役立つ:
- ローマやフィレンツェの長い石畳
- ポルトガルの急な坂
- 旧市街の階段
- 美術館や教会の段差の多い内部
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実際、ヨーロッパのシニア旅行者の“半数以上”が杖を携帯しています。
日本人旅行者だけが使っていないだけです。
斜めがけバッグ(両手を空けるだけで段差の安定度が激変)
段差でバランスを崩す最大の理由は「片手がふさがっていること」。
特に女性はバッグを手提げで持つ人が多く、
階段を降りるときに“片手が遊べない”状態は非常に危険です。
斜めがけにする目的は、
- 両手が自由
- 転びそうな瞬間に手が出せる
- 重心が安定
という、段差の安全に直結する要素がそろうこと。
旅行者の安全性の面では、
スマホショルダー+サブバッグ の組み合わせが最もバランスが良いです。
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「ショルダーに変えただけで、階段が怖くなくなった」という声は多いです。
まとめ
段差の少ない旅は、「年齢」ではなく「準備」で決まる。
70代になっても海外旅行は十分楽しめます。
ただ、階段・石畳・坂道といった“段差の総量”をどう減らすかがポイントです。
- 行き先の選び方
- ルートの組み方
- 持ち物の工夫
- 高低差を避ける知識
これらを知っているだけで、旅の快適さは大きく変わります。
「段差が不安だから旅行を諦める」
そんな必要はまったくありません。
工夫次第で、70代でも体に優しく、気持ちよく海外旅行を楽しめます。
